高校生の頃からよく膀胱炎になるというMさん。
結婚してまだ半年ですが、なるべく早く赤ちゃんをと考えているそうです。
生理はほぼ28日周期で順調。生理痛もなく、すぐに妊娠するだろうと思っていたものの思うようにいかず、
つい先日お兄さん夫婦に赤ちゃんが生まれたことで少々焦りも感じているようです。
よくお話しを伺ってみると、生理が終わったころから膀胱炎になるとのこと。
頻尿、残尿感でかなり不快な思いをするそうで、特に冬は痛みを伴ったり血尿がでることもあるそうです。
お医者さんでお薬を処方してもらい、服用すればよくなるのですが
ほぼ毎月のことになるので、できれば膀胱炎にならずに過ごしたいご希望もありました。
生理周期や生理の状態に特に問題はないようですが、体がかなり冷えている様子でした。
寒ければ厚着をする、靴下をはくなどするけれど、冷えてつらいとは特別思わないと。
いつも冷えている状態なので、それが普通だと思っていらっしゃるのかもしれません。
膀胱炎も寒い冬に重い症状が出ている様子なので、まずは冷えをとる漢方薬を提案しました。
それに加え、お風呂はシャワーですませず湯船につかってよく温まるようにする、
生理中はなるべくまめにナプキンを交換し、内装生理用品はなるべく避けていただくことに。
できたら週に3回ほど1回20分程度のお散歩、
テレビを観ながら足首の曲げ伸ばしや肩回しなど軽い運動もしていただきました。
翌月のご来店時には、体が温かい感じでとてもいい気持がするし、
今月は膀胱炎にならなかったと喜んでいらっしゃいました。
今まではシャワーのみで湯船につからずにいたそうなのですが
ゆっくりお風呂でリラックスすることも大好きになり、
ご家族で日帰り温泉に行って楽しく過ごされることもあるそうです。
のんびり楽しくご家族で過ごされるうちに、
お兄さん夫婦の赤ちゃんもかわいくてたまらなくなった・・・
などと笑顔でお話しされていた翌月、ご自身も妊娠されたとうれしいご報告をいただきました。
原因不明不妊のほとんどが、実はピックアップ障害ではと言われていす。
ピックアップといっても、トラックじゃありません。人間の卵管は卵巣と繋がっていず、排卵する頃になると、卵巣から出てくる卵子に向かって卵管が近寄っていき、出てきた卵子を捕まえます。
その、卵管が卵子を捕まえる、ピックアップに問題があってうまく卵子が卵管に取り込まれない状態をピックアップ障害と呼びます。
ピックアップされないということは、卵子が子宮に入れないことになりますので卵子と精子が出会うこともなく、妊娠には至りません。
卵巣からの排卵は、超音波で見ることができるのですが、ピックアップ障害は今のところ検査ができないようです。
病院の先生方は、卵管を経由せずに妊娠することを提案します。
体外受精です。卵巣の中で育った卵子を人工的に採卵し、あらかじめ洗浄した(しない場合もあります)精子と受精させて培養した受精卵を子宮の中に戻します。自然な状態だと、卵管の中で行われる工程を体の外でやってしまうので、「体外」受精ですね。卵管が詰まっていたり、病気で摘出したりしていてもこの方法なら赤ちゃんを授かれます。
周期調節法では、排卵の時期に血流と気の巡りをよくするものをよく使いますが、これはスムーズな排卵とピックアップを促すためです。卵管の動きが悪いのは、血流や気の巡りが悪かったり余分な水分や脂肪が邪魔をしているからと考えます。
邪魔なものを排除する、去邪の方法を使います。問診や舌を診せていただいたりして何を去邪するかを考えます。
肩が凝る、頭痛がある、生理痛があるといったようなら血流が悪いことが多いですし、イライラしがちだったり、怒りっぽいなど、ストレスがたまると気の巡りが悪くなります。
大食漢で運動嫌い、色白でぽっちゃり体系な方などはデトックスして余分な水分や脂肪を取り除きます。崩れた体のバランスを元のよい状態に戻すとともに、生殖能力をつかさどる腎を強化することも大切です。
赤ちゃんは、健康なお父さんとお母さんのもとにやってきます。
ご両親が健康にならなければいけないのですよ。
規則正しい生活習慣と適正な食生活が大切です。
まず、ご自分の毎日の生活を振り返ってみてください。
夜更かししていたり、食事がおろそかだったり、
運動をしていなかったり、ストレスフルな毎日だったり
していませんか?
思いついたところは、改善していきましょう。
一度に全部ではなく、一つずつ、できるところからで。
夜寝ている間に、脳はホルモンを分泌したり、壊れた細胞を修復したりします。
深く、しっかり眠る時間を作りましょう。
なるべく夜は11時に寝てください。
寝室の温度管理も適正に。寒すぎず、暑すぎずですね。
朝、窓を開けて空気の入れ替えをしましょう。
ベランダかお庭に出て、朝日をあびるとなおよしです。
妊娠するためには、栄養たっぷりの血が必要になります。
色の黒いものは血を増やすとされていますので、
ワカメや昆布、黒ゴマ、きくらげなどの黒い食品をとりましょう。
基本は和食。ごはんとお味噌汁、お漬物です。
バランスよく食卓を整えて、ゆっくりよくかんで召し上がってください。
週に3回ほど20分の散歩を心がけてください。
群馬県は車社会で、歩くことが少ないと思いがちですが
お買い物のときなど、意外と歩く機会はあるので
意識してしっかり歩きましょう。
もしくは、テレビを見ているときなどに簡単な体操を。
軽く運動することで、ストレス解消にもなります。
と、いったところ。意外と簡単にできそうではないですか?
今日からさっそく始めてみてくださいね。
食事の内容や体操や、子作りのタイミングなど、
詳しいことはお気軽に相談ください。
漢方薬を飲んで、病院に行って、それでOK!
だったらいいのですが、そうもいかないのが現実です。
一日も早く、元気な赤ちゃんを抱っこするため、
豊かな人生を送るためにも、
日々の生活を大切にしていきましょう。
妊娠が確定した方がよくおっしゃる言葉です。
「もう漢方薬は飲んではいけないんですね。」
漢方薬も薬である以上、おなかの赤ちゃんに障るのではと心配なのですね。
結論から言うと、妊娠中でも漢方薬の服用は大丈夫です。
周期調節法を使った時もそうでもない時も、
妊娠直後に漢方薬の服用をやめてしまうのは
ちょっともったいないと思います。
しばらくの間、そのまま続けていただくことをおすすめします。
具体的には、ひと月目はそのまま服用し、異常がなければその次の月は半分に、
そのまた次の月もその半分にと、少しずつ様子を見ながら減らすといいと思います。
妊娠中は赤ちゃんの分も栄養が必要になってきますから
できれば血を増やす効果のある漢方薬だけは
そのまま出産まで、そして授乳中も続けていただくとよいと思います。
つわりが始まると、漢方薬が飲みにくく感じたりします。
飲めなければ、無理に飲まなくてもいいですよ。
妊娠初期は、赤ちゃんも小さいですし、
つわりの時には、食べられそうなものを、食べられるときに、
食べられる分だけ、ゆっくり少しずつ召し上がってくださいね。
あまりにもつらいようでしたら、ご相談ください。
吐き気を抑える、妊娠中でも安心な漢方薬があります。
また、妊娠中の養生にも中医学の知恵を生かしていただきたいので、
私はお客様に、妊活中から少しずつお話ししています。
忘れてしまったら、その都度お声をかけてくださいね。
漢方薬が飲めなくっても、元気な赤ちゃんのお顔を見るまでが
「子宝相談」だと私は考えているので、ご遠慮なく!
黄体期についてです。 基礎体温が高めになっている、
周期後半の約14日間についてです。
排卵した後、卵子を包んでいた空っぽになった卵胞は、
黄体とよばれるものに変化して、黄体ホルモンを分泌します。
妊娠しなければ、その黄体は約14日ほどで消滅し、
次の生理がやってきます。
黄体期は、子宮に着床した受精卵がしっかり根を下ろし
たっぷりの栄養をもらってすくすくと育つ準備の時期です。
この時には、今まで厚く育てた子宮内膜を
やわらかく、栄養たっぷりに保つことが大切です。
黄体ホルモンの作用によって子宮内膜への血液供給が多くなり
体内に蓄えられた栄養素を分解して代謝をたかめるので
基礎体温はそれまでより0.3~0.5度ほど高く維持されます。
安定した高温期を維持するために、
補腎薬グループの中でもとりわけ補陽薬と呼ばれる
体を温めるもの、ロクジョウなど力の強い動物生薬を用いたものを使って
子宮内膜への受精卵の着床、養育を助けます。
もし、妊娠しなかった場合は、次の生理を楽にする効果もあります。
排卵は、おおよそ月経周期の真ん中あたりに起こります。
28日周期の方であれば、だいたい13日目から15日目ごろです。
卵巣の中で成熟した卵胞から、卵子を排卵。
空になった卵胞は黄体化して黄体ホルモンを分泌します。
基礎体温は、排卵を境に低温期から高温期へ。
排卵期には、血と気の巡りをよくすることが大切になります。
ホルモン分泌の連携をよくして、確実に速やかに排卵し、
卵胞が黄体化するように助けます。
基礎体温をよくみると、排卵日には体温がかくっと低くなり、
その次の日からぐぐっと高温期になっています。
毎朝体温を測っていても、今日が排卵日というのはわかりにくいかもしれません。
排卵日の少し前から、おりものが増えているはずです。
透明から白色の、「卵の白身のような」とよく言われるおりものです。
月経周期の日数と、そのおりものの様子をよく観察して
ご自分の排卵日を予想して下さいね。
生理が始まると、女性の体は妊娠に向けた準備を始めます。
卵巣の中で卵子の元になる細胞が大きくなり始め、
だいたい生理が終わる頃にはよりよい1つの卵胞に絞られます。
月経期にしっかり子宮の中をお掃除したら、
卵胞期には赤ちゃんの元になる卵胞をしっかり育てると同時に
新しい子宮内膜も厚く育てていきましょう。
中医学では、卵胞期を陰の時ととらえて
生殖能力を高める補腎薬の中でも、滋陰薬と呼ばれるものを使っていきます。
生理で失われた血液量を増やして、
子宮と卵巣への栄養やホルモンが不足しないように
血液を増やすはたらきのある漢方薬も忘れずに。
よりよい卵子を大きく育てたり、内膜をより厚く育てるために
カエルの卵巣や亀の甲羅、植物の種の油などの
サプリメントをプラスすることもあります。
カエルや亀? なんだかコワイかんじがしますか?
安心して下さい!
カプセルになっていたり、シロップになっているので
抵抗なくおのみいただけると思います。
それに、カエルの卵巣は白きくらげと一緒にシロップで煮て、
亀のエキスもゼリーになって、中華料理のデザートにあります。
美肌効果も抜群です。妊活漢方って、実は美容にいいものがたくさんあるんです。
食わず嫌いにならないでくださいね。
生理周期に合わせて漢方薬を飲み分ける周期調節法。
まずは、生理の時にはどんなものを使うのか、ご紹介します。
生理痛や経血の中に血の塊がある場合、血流が悪くなっている可能性があります。
流れないから痛みがあり、滞るから固まるのです。
生理の時は、古い子宮内膜をきれいにはがしてお掃除する時ですから
特に血流と気の巡りをよくする漢方薬を使うとよいです。
生理痛も軽くなりますよ。
生理の間、3日から7日くらいに服用していただきます。
お薬と同時に養生も忘れずに。
体を冷やさないように気をつけて、過労も避けます。
食べ物も刺激の強いものは避けた方がよいですし、
お酒もできれば控えめに。
経血は栄養たっぷりなわけですから、雑菌なども繁殖しやすくなります。清潔に!
生理は病気ではありませんが、中医学では体の中と外がつながる時期と考えます。
そのときに無理をしてしまうと、風邪をひきやすかったり頭が痛くなったりしやすいです。
おだやかにのんびり過ごしましょう。
周期調節法というのは、月経周期に合わせてその時々に必要なものを補い、
不要なものを取り去る漢方薬を使う、比較的新しい方法です。
とはいえ、もう15年以上この日本でも続けられている、
確かな効果のあがる方法でもあるのです。
私も勉強してよく使っています。
月経周期を、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期の四つに分けます。
月経期には、はがれ落ちる子宮内膜と経血をきれいに排出する漢方薬。
卵胞期には、子宮内膜の再生と増殖を助ける漢方薬。
排卵期には、卵胞がスムーズに排卵し、着床を助ける漢方薬。
黄体期には、子宮の中を栄養たっぷりに保ち、着床した受精卵をスクスク育てる漢方薬。
一般的にはこのような具合になります。
もちろん、人それぞれ体質が違うので、具体的にはその人に合わせた方法が必要です。
この方法は、月経周期がはっきりしている方向きです。
月経不順で周期がはっきりしない方には、
ホルモンバランスを整え、気血を充実させて
月経がしっかりくるように調節します。
赤ちゃんが欲しい方はたくさんいらっしゃって、
その方達一人一人にあった方法があるのです。
オーダーメイドの漢方薬で、体調を整えてみませんか。
なんだかめんどくさそう・・・とお思いですか?
大丈夫です。 安心して下さい!
ちゃんとご説明いたしますし、飲み方も紙に書いてお渡しします。
もし、よくわからなかったり、不安に思うことがあったときには
どうぞ、遠慮無く、どんどんご質問下さいね。
おうちに帰ってから「あっ!聞き忘れた」なんてことがあったら、電話をください。
漢方薬はまだあるけれど、ちょっと心配ないことが・・・
そういう時のための、「漢方よろず相談処」です。