漢方の平庵堂

群馬県前橋市の子宝・皮膚病・漢方よろず相談処

ガン

末期膵臓癌の腹水

わかった時にはもう末期で、手術することはおろか、治療としてできることが何もないと担当医から言われた末期膵臓癌。痛み止めと食欲を益す薬くらいしか病院からはもらえませんでした。膵臓癌と分かった時点での余命は1~3か月とのことで、痛みのコントロールが難しく、ほとんど眠れない状態であったことと、腹水がたまってとても苦しいと訴えていらしたのを、どうにか楽にしてあげられないものかとの相談を受けました。

この状態の末期癌そのものを治すことは残念ながらとても難しいことを申し上げ、ご本人とご家族にも納得していただいたうえで、病院の先生にもご協力をいただいての漢方治療に踏み切りました。まず、痛みについてですが、入院中はできませんでしたが、退院して在宅療養になってからは、週に何度か鍼灸師の訪問治療を受け、あとはやりかたを教わったご家族が毎日お灸をすることで、だいぶ軽減できるようになりました。お灸ができない夜中などに痛みが出た時には、付き添っているご家族が背中をさするなどしたそうです。

腹水も、入院中はほぼ毎日、自宅療養になってからは週に3回、病院で抜いてもらっていましたが、抜いた翌日にはほぼ同じだけたまっているのであまり意味がなく、在宅療養になってからは病院に行くことを拒否することが多くなってしまいました。末期がんで体力も弱っている方にとって、漢方薬での治療もかなり慎重にしなくてはならなかったのですが、通常よりも少なめの量から服用していただき、少しずつ少しずつ、尿や便から腹水を排泄させることに成功しました。時間はかかりましたが、腹水がたまって大きく丸く膨らんでいたおなかが元に戻り、楽になったと喜んでいただけました。

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